いよいよ今日は一番楽しみにしていた「雪の大谷」に行く日です。
私は高校時代の修学旅行で黒部立山アルペンルートには来たことがありましたが、夫と妹は初の黒部立山アルペンルート!!初めての黒部立山アルペンルートで雪の大谷も見られるなんてラッキーですよね!!
今年は近年では積雪が多く、最高の高さでは16メートルの高さの雪の壁が見られるようで楽しみでしかありません!!
黒部立山アルペンルート

朝7時50分定刻にホテルを出発!
大町市から標高900m近い日向山高原を通って「扇沢」まで向かいます。
昨日とは打って変わっていい天気\(^_^)/
今日1日何とか天気がもってくれれば言うことなしです。
関電トンネル電気バス 扇沢から黒部まで
バスに揺られて到着した扇沢は標高1433mあるだけに寒く、持参していたダウンを着込みました。
車いすメンバーの私たちは、ツアーの人たちとは別で、係の方が来られて専用のエレベーターで乗り場まで連れて行ってくれました。


ツアーの皆さんは直進して階段で、我々は右のエレベーターからバス乗り場まで行きました。
扇沢のバス乗り場には8時20分前に着きました。「5号車に乗せて!」とどこからか声が聞こえ、私たちの乗るバスが5号車だと理解しました。



私が以前来た時は「トロリーバス」でした。初めて聞いた印象深い名前だったのでよく覚えています。
去年2024年11月いっぱいでトロリーバスは廃止されてこの電気バスに代わっています。バスが停まっている間、電気を充電している所が見られました。(パンタグラフのようなところ)
他の人が来る前に、車いすを電気バスに入れてくれ、発車時間まで待つようにと指示がありました。準備周到で手際のいい優しいスタッフの皆さんの対応に感謝しかありません。
バスが発車するころは、バスの中は乗客でいっぱいになりました。


車窓からは雪山と白樺の景色がきれいな所を登り、長野県から富山県にまたぐ赤沢岳の中を貫くトンネル(関電トンネル)を通って黒部ダム駅まで行きます。
トンネル内は破砕帯がライトで示されていて、水温4度という冷たい地下水と土砂が毎秒660リットルも噴き出したという大変な難所が車窓から見ることができました。今も水が出ているようです。
黒部ダム駅
8時45分ごろ到着。ここでも係の方がバスの昇降口に待っていてくれて、階段のない道を案内してくれました。


それにしてもよく道を整備してあるのに驚きます。
黒部ダム
9時前には黒部ダムに着きました。ダムの堰(えん)堤をてくてく歩きながら、少し冷たい空気と立山の雪景色、とても大きくて高いダムを堪能しました。


車いすに座ったままの母は、体が冷えるようで手袋を付けさせ、首や足にショールを巻いてあげました。
歩き回ると温まりますが、動かないとエネルギーは取られるばかりですね。言われるまで気が付きませんでした。
黒部ダムの標高は1454mですからね。要注意です。


修学旅行で来たときは殉職者の慰霊碑とダムを上から全体像として見たような気がします。こんなふうに堰堤を歩くのは初めてでした。(と思う)




黒部ダムの観光放水は今年2025年は6月26日から10月15日だそう。
迫力満点の放水も観てみたいものです。

黒部ダム湖駅


黒部ダム湖駅まで散策を楽しんできました。
この駅で集合して、ケーブルカーに乗っていくことになっています。すでにインバウンドの人でいっぱいでした。
黒部ケーブルカー 黒部湖から黒部平へ

ケーブルカー乗り場は今回の旅行で一番気になっていたところです。
ケーブルカーに乗るまでの階段にはエスカレーターもエレベーターもありません。
係の方が気を利かせて、乗車時間に間に合うように、改札前に中に入れてくれ、ゆっくり歩いて登れるようにしてくれました。
母も人を気にせず、右側に手すりがあったので一歩一歩歩いて乗り口まで行くことができました。
母がなんとか歩けたので、ツアーで予定してあった便より1便早い便で先に行き、降りる時も時間を気にしなくていいようにと取り計らってくれました。本当にありがたいです。
ツアーの皆さんより一足先に出発したら、皆さんがケーブルカーに向かって手を振ってくれていました。ほっこりしますね。


途中降りてくるケーブルカーとすれ違いました。あっという間の出来事。ここだけ電車2台がすれ違う幅にトンネルが広くなっています。

ケーブルカーの中に
「立山を尊び 立山を愛し 立山の美しさに感謝します」の書が飾ってありました。
一般の車が入れないように規制してある立山ですが、だからこそこの自然が守られているのだと思いました。
1便早く着いてよかった! やはり階段を昇るのはとても時間がかかるので、ツアーの皆さんについていくのは難しいです。


標高1828メートルの黒部平まで、急勾配のケーブルカーから見える景色も絵葉書のようでとてもきれい!!
立山ロープウェイ 黒部平から大観峰へ
黒部平には1便早いケーブルカーに乗れたので、同じツアーの皆さんが来るまで、母もゆっくり階段を歩くことができました。
黒部平からロープウェイに乗り込むときも、係の方が車いすをそのまま中に押して入れるようにスロープを準備してくれて、ロープウェイの一番前に車いすを配してくれました。おかげで私たちも母の横で窓際の席に座ることができました。
ロープウェイからの眺めは、思わず乗っている人みんなが「わぁーーー」っと歓声を上げるほどでした。動く展望台と言われるのも納得です。山麓から山頂まで支柱が1本もないので、遮るものが何もありません。見渡す限り白銀の世界の大パノラマです。下を見下ろすと、真っ白な雪や、流れたような筋が芸術作品のような模様を作っていたり、雪山の表情を見るのは初めてだったので感動的でした。


途中降りてくるロープウェイとすれ違いました。雲の中から急に現れてあっという間に消えた!って感じでした。人乗ってた? 頂上が近づくにつれてどんどん雲が厚くなっていました。



わずか7分ほどの乗車時間でしたが、夢のような世界を空中遊泳したような気分でした。
このロープウェイに支柱がないのは環境保全と雪崩や落石をさけるためだと、車内アナウンスがありました。すばらしいとしか言いようありません。
大観峰
ロープウェイを降りた所は標高2316mの大観峰。
ここでも階段のない通路を案内されて、とてもスムーズに動くことができました。室堂まで行く電気バスを待つ間に、見知らぬ人がささっと私たち4人の写真を撮ってくれました。ありがとうございます!!



窓の外はすごい雪!!
5月11日でもここまで来ると真冬みたいです。
ていうか、こんなに積もっているのはテレビでしか見たことない!
ここまで来ると天気が悪いなぁ・・・
立山トンネル電気バス 大観峰から室堂へ
このバスにも係員の方が車いすの母を先に乗せてくれてとても助かりました。
立山トンネルバスは今年の4月15日から運行のバスです。バス1台の幅のトンネルを進んでいきます。



青い光のある所は破砕帯。難工事だった所。


バスがすれ違う所は2台分の広さになっていて信号が付いていました。こちらが停まっていると向こうから3台のバスが続けてやってきました。


トンネルが想像以上にうねうねカーブしていて、勾配もあり破砕帯もあってよくつながったものだと思います。世紀の難工事と言われる様な所によくこれだけ距離のある道を作ったものです。

我々が乗ったバスは、2501号ネイチャー号/春(雪の大谷)のラッピングバスでした。

室堂
11時ごろ標高2450mの室堂に着きました。たくさんの人で混雑していで身動きもできないほどです。



お昼ご飯
ターミナルの中にある「レストラン立山」で「うな重」のお昼ごはんでした。ここも人の行列!私たちはツアーでの予約だったので時間通りにいただくことができました。さっさと食べて「雪の大谷」を見に行きましょう。


雪の大谷

建物の外に出ると青空が広がって、すっかり気持ちのいい天気になっていました。
立山はまだまだ雪に包まれて、雪が太陽の光でまばゆいほどの白さです。
ロータリ除雪車と除雪用ブルドーザが展示されてましたが、どれほどの時間を運転して除雪されたのでしょう。


気温0度というのがウソみたいに暖かく感じます。
吐く息は白いのに、雪から反射する太陽の力でポカポカする感じ、しかも独特のにおい・・・何とも奇妙な体感です。このにおいは雪のにおい?



そそり立つ雪の壁の横に、木製の杭が等間隔で立っていたり折れていたりしていました。
その杭は、雪が降る前に道の場所がわかるように目印として設置されていたものだそうで、折れているのは雪の重みで折れてしまったもののようです。
そういえば除雪した雪はどこに持って行ったのでしょう?かなりの量になりますよね。
雪の壁は近くで見ると地層のようになっていて、厚い部分や黒いラインのように入っている部分がきれいに見えてました。この時はPM2,5が多い時だったのかな?とかドカ雪の時だったのかな?とか勝手に想像して楽しみました。




雪の回廊
雪の大谷からターミナルまで戻り、エレベーターは2階(レスlトランがある所)までは売店の業務用のものを使えるようになっていました。売店の方に声をかけると対応してくれました。ところが、3階の室堂平に行くには別棟の「自然保護センター」のエレベーターしかありません。
ターミナルの端から端まで移動してエレベーターで3階の室堂平に行ってみました。が、建物の外は除雪されていない場所だったので車いすではとても行ける所ではありませんでした。
母は室内にいるからと室堂平は交代で見に行くことにして、先に妹と私が外に出ました。
素晴らしい雪山に圧倒されながら大いに満喫しました。





雪の小大谷を通って室堂平に出ると、スキーをしている人やゴーグルにスキー板で降りてくる人たちもたくさん!!
雪が太陽に照らされて、目がチカチカするようです。雪山にはサングラスが必要と知ってはいましたが、こういうことで必要なんだと実感しました。
それにしても一面の雪!すごいです!!
真っ青な青空に真っ白の雪!!!最高です!!!



あまりに素敵な所で、これは夫に見せないと!!と、夫と交代してくることを妹に告げ、夫と母のいる所に戻ることにしました。
と、あれ?(・・? レストランのところに来た!戻り道を間違えた!! 向こうに行く道はどこ?
再び3階に戻って、保護センターの場所を聞いても誰も首をかしげるばかり・・・困った Σ(゚Д゚;≡;゚д゚) 焦るばかりで途方に暮れていたところ、「もう一度ここの雪道を登ってあの向こうに右に降りるところがあるから」と教えてくれる方がいて、教えの通りに戻って何とか妹と会うことができました。
妹もなかなか戻らない私を心配していたので、道に迷ったことを簡単に伝え、私は少し急いた気持ちで夫と母のところに戻って行きました。が、なんとその途中、すってんころりん!あっと思ったら雪の上にひっくり返ってました!
目の前がチカチカしましたが、なんとか母と夫の所に戻りました。室堂平と雪の回廊を見てほしくて「時間がないから無理」という夫を無理やり送り出しました。
母と妹はエレベーターで先に1階に降りてもらい、一人で夫を待っていたところ、急激に吐き気が‥と思った瞬間そのまま吐き上げてしまいました。やばい!!骨折したかも・・・
吐き上げて汚してしまった床を拭くのに(服にリュックも汚してしまっていた)、近くにいた方に助けを求めて雑巾を借りました。汚したところを何とかしなくてはと必死で拭くしかありません。どうしよう・・・と思っている所に携帯電話!「集合時間ですがどこですか?」の声。こちらの状況を伝えましたがとにかく早く来てくださいということだけ。余裕のない時に限って余裕のないことが起きるものです。
なぜか集合時間を私も妹も間違って覚えていて、13時を13時半と勝手に思い込んでいました。
戻ってきた夫は私が床にしゃがみこんで床を拭いている姿を見て、びっくり。転んでいたことも言ってなかったので、何が起きているのかわからないですよね。事情説明をしていたら雑巾を持ってきてくれた方が新聞紙にビニール袋も用意して「あとは捨てておきますので集合場所に行ってください」と涙が出そうなお声がけをしてくれました。
無事集合場所に戻って、ツアーの皆さんに大きな迷惑をかけることなく立山を後にすることができました(汗)
その後
立山から今日宿泊する富山市内の「ANAクラウンプラザホテル」には夕方4時半ごろには到着しました。前もって添乗員さんから救急病院に行きたい(この日は日曜日だった)旨の連絡をしてもらっていたので、ホテルに到着してすぐにタクシーで救急病院に向かいました。病院の情報も前もってメモにして渡してくれてとてもありがたかったです。
やはり右手首を骨折していて、処置をしてもらってホテルに戻ったのは夜7時半すぎになっていました。
ホテルに戻るとタクシーまでホテルの方が出迎えてくれ、夕食会場まで案内してくれました。
こちらのホテルの夕食は7時半までとなっていて、本来ならば時間過ぎの客には提供しないことになっていました。「骨折した上に夕食もないとはあまりに不憫ですから」とホテルに到着したときに対応してくれたフロントの方が、料理担当の方に話して特別に配慮してくれていました。もう感謝しかありません。
遅くなったうえ右手が使えなくなった私に、ゆっくりいいですよとフォークとスプーンもさっと出してくれました。おいしい食事の上に温かい心使いがとてもうれしく思いました(涙)
ここのホテルのスタッフの皆さんはとても親切であたたかく丁寧でした。富山に行くならここのホテルをぜひおすすめします。本当にお世話になりました。ありがとうございました。
すっかり疲れてしまって、ぐったりして1日が終わりました。
ということで、この日の写真は立山以降何もありません(涙)
今もギブスのままキーボードを左手で打ちこんでいます。めっちゃ時間がかかるけど、キーボードはとてもありがたいものです。
コメント