ロケットを見に行きたいあなたへ

車中泊

人生で一度は見てみたいロケット打ち上げ。とはいえ、島に渡って打ち上げを見るまで、どう計画を立てていいのやら・・・

実際にロケットを見に行った体験から、これからの旅の計画のヒントになればと思いまとめてみました。

なぜ車中泊?

過去の打ち上げの実績を見ると、予定の日程で打ち上がるのはかなり少なく、遅れることを念頭に入れておくことは条件のひとつです。

延期になった場合、早ければ翌日ということもありますが、天候不良の場合は2,3日延期されることも多く、また、ロケットにトラブルがあったりすると1週間延びたりすることも。これは、旅で出会ったベテランもおっしゃっていました。予備日は約1か月間取ってあるのが普通です。

打ち上げの日程が確実でないということは滞在日数も不確実でそれでなくても不足している種子島の宿を確保することは超困難ということです。

となると休みさえなんとかなればフレキシブルに対応できる《車中泊》を選択するのがベストと思います。

打ち上げの前後ではレンタカーの確保も超難関なので、西之表~南種子町を自転車移動、宿泊をテントでとも検討しましたが、やめていて本当によかったと思いました。

平らな印象のある種子島は意外と起伏があり、特に南種子町のビュースポット間の移動ではかなり起伏が激しく、貧脚の私は到底無理!! 体力と時間がかかりすぎること間違いなしです(汗)

種子島行きフェリーの選択

車中泊と決めたら次はフェリーで行くしかありません。フェリーもタイプが様々です。

フェリー名プリンセスわかさはいびすかすぶーげんびりあトッピー&ロケット共同フェリー
フェリー
のタイプ
カーフェリーカーフェリー貨物フェリー
1台1名のみ
同乗者不可
旅客フェリー
徒歩乗船のみ
貨物フェリー

1人で行くなら《ぶーげんびりあ》も選択できます。種子島でレンタカーを借りるならトッピー&ロケットも候補に入りますが、前述のとおり宿泊及びレンタカー予約は絶望的です。

私は夫と2人での車中泊組なので《カーフェリー》一択です。

《プリンセスわかさ》と《はいびすかす》の比較をしてみます。

比較対象プリンセスわかさはいびすかす
出港地と出港時間鹿児島南埠頭   8:40鹿児島谷山港  18:00
入港地と入港時間種子島西之表港 12:10種子島西之表港 21:40
金額3m~4m未満(運転手1名含む)20000円15200円
大人1名5500円3800円
船の設備特別室あり。シアタールーム、バリアフリー室、自販機ありジュース・カップ麺の自販機あり。売店レストラン無し

出港時間は大きなポイントです。

プリンセスわかさに乗船の場合、朝の出発なので、前入りか、鹿児島の近くにお住まいの方には都合がよいでしょう。  また、景色を楽しみながらのプチクルーズなら断然こちら。

私たちは、家から鹿児島までは高速を使っても5時間以上はかかるので、どうせ行くなら朝出発しても寄り道しながら(遊びながら)行こうということで夕方出港の《はいびすかす》に決めました。

フェリー はいびすかす

《はいびすかす》は貨物船を旅客用にしたもので、《プリンセスわかさ》に比べるとあまりきれいではありません。が、船マニア界隈では『魔改造船』ともいわれれていて好きな人はこれもまた楽しめる船だと思います。

また往復割引もあり、帰りの日程が決められるならかなり割安です。

往復29000円、大人1人6800円です。

予約は乗船日1か月前に電話での予約が必要なのはどちらも同じです。

余談ですが、種子島はガソリンの値段がかなり高いので、出港前に鹿児島でガソリンを入れておくことをお勧めします。夕食もフェリーで食べる予定なら必ず準備しておくことをお勧めします。

風呂

車中泊の場合は、お風呂と寝る場所はとても重要なことですよね。

理想は寝る場所の近くに(歩いていける距離)銭湯と食事処があるということです。現実はほとんどそういうことは叶わないことなので、できるだけ近くで済ませられるように検討するしかありません。

西之表港

《はいびすかす》は夜9時40分に種子島に着くので、この夜の宿泊場とお風呂は決めておいた方が楽です。スムーズに動いて早く休みたいからです。

銭湯は西之表港近くにある《赤尾木の湯》がおすすめです。立ち寄り湯で夜10時ごろまで開いているのはここしかありません。

こちらは朝6時から夜11時まで開いていて夜は10時半までに入ればいいことになっています。

立ち寄り湯800円とちょっとだけお高いけれど、きれいなこととなんといっても源泉かけ流しの天然温泉がありがたいです。

南種子町

ロケット打ち上げの時に便利な銭湯は南種子町で済ませたいものです。

おすすめは《河内温泉センター》です。

宇宙センターから車で10分ほどの場所にあり、源泉かけ流しの天然温泉でサウナもあります。弱アルカリ性のぬるっとしたお湯がとても気持ちいい温泉です。

料金は350円と格安! シャンプーなどのアメニティーはないのでお風呂セットを自分で用意していく必要があります。

ただし、打ち上げの前は、それ相応に混雑するので、余裕をもっていった方がよいです。 でも、打ち上げが終わると嘘のように人がいなくなるので、クーラーのきいた無料休憩所で手足を伸ばして横たわれることができ、冷たい水もいただけて完全リセットできるとてもありがたい所でした。

河内温泉センター外観
無料休憩所
駐車場も広い

中種子町

《千座(ちくら)の岩屋》から3キロほどの所にある《温泉保養センター》もおススメです。

南種子町との境にあり、こちらも料金が400円と安い!駐車場も広く、サウナ、気泡風呂、低周波風呂などもあります。アメニティーは持って行った方がいいです。木曜日が定休日

施設前の海も眺めも良くていい所です。海を眺めながら入れるとありましたが、女風呂からは海を眺めることはできませんでした。外から丸見えになりますからね(汗)

こちらも打ち上げ前はそれなりに混雑するので、余裕を持って行った方がよいでしょう。

打ち上げ見学場所

南種子町のおすすめ見学場所は4か所あります。(町営公園)

打ち上げ当日は立ち入り禁止(半径3キロ以内)となる場所があり、交通規制が行われるので、事前に確認することをお勧めします。

地図ではイメージできないかもしれませんが、南北にそびえる山が意外に高くて、どこの見学場所も山頂or尾根から見学するイメージです。

実際に見て回っての感想も含めてご案内したいと思います。

南種子町HPより

恵美之江展望公園

ロケット発射場から一番近い見学場です。

ここで見学するには「事前抽選」で当選した人だけなので、当選しないとここでは見ることはできません。これが当たらないのよねぇ…

打ち上げ前日に会場に行ってみたら、もうすでにこちらで打ち上げを待っている方もちらほら。

皆さん当選されている人たちなんでしょうね。うらやましい・・・

駐車場110台

ロケットの打ち上げが発表されると、南種子町のHPに抽選の申し込みページが開設されるので、そちらで運だめしです。

この写真は優待席から見た景色

その一角にはもっといい見学場!ふるさと納税を一定額すると、ここで見られるとのこと。

急な階段を昇って行くと、ベンチもあって最高の見学場所になっていました。

岬の先の建物が発射台

長谷公園

見学者が一番多く集まる定番の見学場所です。

発射当日は食べ物等の出店もあり、ロケット関連グッズなども購入できます。

当日は毎年無料のグッズを配布される楽しみもあり、カウントダウンの音声放送も流れ、みんなで盛り上がれる場所です。

朝7時にはもう最前列には人が座って12時の打ち上げを待っていました。

駐車場300台

トイレ洗面所はこちら
駐車場は前日からの車中泊の車が並んでる

発射当日は芝生の場所まで駐車場になるようで、来場者の多さがわかります。

町営陸上競技場

南種子町役場近くで、市街地に一番近いつまり射場から遠い見学場です。

カウントダウンの音声放送もあり、山の向こうに飛び立ったロケットが見られます。

せっかく来たのにここでの見学はあまりに遠すぎると感じました。発射瞬間の煙や音も見たいのでこちらは検討に入れませんでした。

駐車場80台 トイレあり

宇宙ヶ丘公園

市街地からまあまあ近い場所にあります。駐車場も整備されてキャンプ場もあります。

トイレが駐車場から遠くとても〇潔だったことと、山の向こうの打ち上げしか見られないので、想像以上に遠く感じる場所でした。

カウントダウンの放送もあり、駐車場250台分あります。黄色い展望台の上で見ても発射台はどこ?ってずっと向こうです。

奥の山から打ち上げ!くもっていたらロケットはあっという間に雲の中です。

看板に丁寧にお知らせが更新されています。

恵美之湯

《恵美之江展望公園》のすぐ近くにある宿が駐車場を提供するサービスをやっています。

発射台から3.2キロほどしか離れていなくて、打ち上げの煙も音もすぐ近くで見られる素晴らしい場所です。

有料なことと、打ち上げ後に車を駐車場から出すのにかかる時間は、前に停めている人次第ということが難点です。前の車が動くまで駐車場から出られません。

また、思ったより人が多くて、マナーが悪い方もいるのでカメラ撮影等はちょっと気を付けた方がいいかもしれません。

宿の前の庭や庭から降りた海岸の土手?などで見学できます。

宿の2階のデッキは宿泊者優先席の椅子が並んでいました。その後ろの方では見ることができると思います。

休憩所(宿泊)

車中泊は安心して休めること、トイレや洗面所が整っていることが必須です。

西之表

西之表港着が夜10時前、それから風呂に入ってとなると、近場で早くゆっくりしたいものです。

《わかさ公園》は駐車場が3か所あり、そのうち2か所にはトイレも整っていてきれいです。

早朝は散歩にペットを連れてくる人もいますが、夜は静かでこちらで車中泊している車も何台もあり、皆さん駐車する間隔もきれいに取ってマナーもいい方ばかりでした。

季節によっては蚊など虫が多いと感じる人も多いかもしれません。

南種子町

南種子町役場近くの《あおぞら広場》は高台にあり、風がよく吹き抜けるところです。

とてもきれいなトイレ洗面所が完備されて、警察署や消防署も近くにある南種子町の中心部にあります。

河内温泉センターからも近く、居酒屋などの食事処も歩いて行ける範囲に何軒もあり、とても便利な所です。

ここでも何台も同じように車中泊をしている車が停まっていました。

ただし、公式には車中泊の可否は表示されていませんが、周辺に住宅もあるのでマナー違反などが見受けられると禁止になったりするかもしれません。 今後を考えて、マナーを守り静かに利用させてもらいましょう。

打ち上げ見学ついでのおススメ

打ち上げの前後で時間が取れたらこちらもおススメです。

宇宙センターバスツアー

1日3回ツアーが行われていて(12月~2月は2回)、ツアー日の3か月前から予約受付です。

参加費は無料で、時間が取れるなら絶対行った方がいいツアーです。

予約は宇宙科学館に電話をし、希望の日時を伝えます。 打ち上げの前は、皆さん同じことを考えるので、当日はもちろん数日前ではいっぱいの可能性が高いです。

1時間15分のツアーです。

JAXAのマイクロバスで案内してくれます。

目印の腕バンド

ロケットガレージ見学。実物は迫力あります!

宇宙科学技術館

入場料無料、朝9時半から夕方4時半まで営業で定休日は月曜日。

ロケット、人工衛星、宇宙ステーション計画など宇宙開発についてなどゲームなどで楽しく展示紹介してある施設です。ここでしか手に入らないグッズも購入できます。

宇宙センターカフェテリア 宙飯屋

予定が合わず行くことはできませんでしたが、宇宙センターの敷地内にあるレストランで、JAXAの社員食堂でもあります。すてきな景色を眺めながらランチを頂くのもいいですよね。

まとめ

種子島は南北58キロ東西6キロから12キロの細長い島。数字だけ見ると自転車でも移動できる距離と思いますが、イメージより険しいアップダウンが多く、どこに行くにも山を越えていくか海岸線をぐるりと回っていくかしか方法がありません。(海岸線がずっとつながっているかと言えばそうでもない)

また公共のバスなどが充実しているわけでもなく、自由に動いて観光するのは車無しでは難しい所だと思います。

予定の立ちにくいロケット打ち上げは、宿泊は民宿やホテルや旅館を利用して、移動はレンタカーも確保できれば一番安楽ですが、ただ、打ち上げの延期に伴う宿泊の延長などが超困難なことも考慮すると車中泊にしてよかったと個人的には思います。

ただ、フェリーに乗る車の台数も決まっているので行くと決めたら早めの予約が安全です。またフェリーは現時点(2025/07)では日曜運休なので、要注意です。

観光地の駐車料金も不要な所が多いので、ロケット打ち上げを見に行くついでに車中泊をしながらゆっくり種子島を堪能する、屋久島まで足を延ばすなどなど、延びる前提で余裕を持った計画もいいのではないでしょうか?

種子島、屋久島の観光については別の生地を参考にしていただければと思います。

どうか素晴らしい打ち上げに会えますように。  

ロケット打ち上げの旅の記録はこちらから。

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